2021.2.17
沖縄の暮らしの工夫とは?気候に応じた生活と家の特徴を紹介
沖縄スタイル編集者
2021.2.17

温暖な気候に恵まれた沖縄では、高温多湿な環境に適応するため、暮らしの随所に工夫がこらされています。この記事では衣食住それぞれの観点から、沖縄の暮らしの工夫について徹底解説。沖縄で快適に生活する方法を紹介していきます。
沖縄の暮らしの工夫とは?移住前に確認しよう
年間を通して多くの観光客が訪れる、国内屈指のリゾート地・沖縄。きれいな海や沖縄特有の雰囲気に魅了され、県外から移住してくる人が多い人気の都道府県です。あたたかな日差しのなか海を眺めてのんびりと休日を過ごす、そんな生活を夢見る人も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、気候などの関係から、沖縄の生活は本土とは異なる点が多くあります。沖縄での生活のことを知らずに移住し、生活のギャップからすぐに本土へ帰ってくるといった事態は避けたいですよね。沖縄での理想の生活を実現するためにも、沖縄の暮らしの工夫は事前に知っておく必要があるでしょう。
沖縄の暮らしの工夫としてうまれた特有の文化
沖縄の生活のなかには、独自の文化が多く形成されています。たとえば、沖縄の人々が生活に取り入れた食文化です。豆腐や豚肉、野菜、魚介など、地域に根ざした食材はどれも栄養価抜群。これらの食材で作られる郷土料理は、気温が高い沖縄の夏を乗りきるための生活の知恵といえるでしょう。
また高温多湿な気候で台風も多く訪れる沖縄では、建物は湿度・風・雨すべてに強くなくてはなりません。そのため、沖縄にはほかの都道府県にはない建築の特徴が多くみられます。
>>「沖縄で暮らす」とは?生活・気候・文化の気になるポイントを紹介
亜熱帯気候に属する沖縄での生活
そもそも沖縄は、日本で唯一「亜熱帯気候」に属しています。1年中温暖な気候が特徴で、那覇市の平均気温は23度ほど。年中半袖で過ごせるわけではありませんが、それでも冬場の平均気温は15度以上と、温暖な気候に恵まれています。
温暖な気候の沖縄で生活すると考えたとき、夏の暑さすらも楽しめると想像してしまうかもしれません。しかし、実際に生活するにあたって、高温多湿な沖縄の気候には苦労するポイントも多いのが現実です。移住してから驚いたり後悔したりすることがないよう、温暖な気候の沖縄で生活する際に気を付けるべきことは、事前に知っておきたいですよね。
温暖で湿度の高い沖縄特有の気候に対し、人々はどのような沖縄の暮らしの工夫をしているのでしょうか。ここからは、暑さ・湿気の対策方法から夏バテを防ぐ料理、家に施された工夫まで、沖縄の暮らしの工夫を詳しく紹介していきます!
沖縄の暮らしの工夫①暑い夏&湿気を乗り切るアイデア
まずは沖縄で生活するにあたって、必ず知っておくべき夏の過ごし方や、沖縄の暮らしの工夫について紹介します。
夏の強い日差しを避ける沖縄の暮らしの工夫
「沖縄の夏といえば海!」ということで、沖縄県民の方は昼間からビーチで過ごしているようなイメージがありませんか?しかし実際はそうではないのです。地元の方が海で過ごすのは、日差しが弱まる夕方になってから。日中の日差しが強いなか、炎天下で長時間過ごすことは危険なので、避けた方がよいでしょう。
もし日中に外で過ごす場合は、サングラスや日焼け止めクリームはマストアイテムです。さらに沖縄県民の方は海に入るとき、Tシャツやラッシュガードを着用し、強い日差しから身体を守っています。意外に思えるかもしれませんが、それだけ沖縄の夏の日差しは注意が必要ということですね。
住まいにみられる沖縄の暮らしの工夫
家についても同様に、日差しを避けるための工夫が必要です。強い直射日光が入ってこないよう、沖縄にはすだれやグリーンカーテンをかける家が多くあります。ほかにも、家の庭に大きな木を植えて日陰をつくったり、窓を開け放して風通しをよくしたりすることも。部屋が暑くなりすぎないように家に入る日差しを弱め、少しでも住まいが涼しくなるよう工夫をしています。
また、梅雨の時期には湿度が非常に高くなってしまうため、住まいを守るために除湿が欠かせません。カビやダニを防ぐ目的でも、除湿器を頻繁に使用することが必要です。空気がじめじめしないようにすることは、湿度が高い沖縄の気候で快適に過ごすのにとても重要なポイントです。
沖縄の夏を快適に過ごせる「かりゆしウェア」
そんな暑い沖縄の夏を乗り切るために、県民の夏の軽装として定着しているのが「かりゆしウェア」です。かりゆしウェアとは沖縄版のアロハシャツで、沖縄の伝統染織物や自然、文化をモチーフにしたデザインが特徴。風通しがよく、夏場のおしゃれにぴったりのシャツです。
かりゆしには「めでたいこと」や「縁起の良いこと」の意味があり、結婚式でも使われることがあります。さらに、近年注目されているクールビズのビジネスウェアとしても、行政機関・一般企業を問わずかりゆしウェアが利用されています。せっかく沖縄で生活をするのなら、1枚は手に入れてみてはいかがでしょうか。
>>沖縄旅行、どんなファッションが正解?シーズン別おすすめコーデをレディース・メンズ別に紹介!
沖縄の暮らしの工夫②料理で夏バテ防止&長寿にも良い!?
沖縄といえば郷土料理も人気ですね。沖縄はかつてより日本や中国、東南アジア、朝鮮など多くの国と交流がありました。そのため、多数の国の影響を受けて発達した、独自の食文化が生活の一部となっています。沖縄料理に使用される食材はどれも栄養価が高く、夏バテの予防や健康維持のほか、長生きにも効果があるとされています。
夏バテ予防に最適!沖縄の郷土料理
代表的な沖縄料理、ゴーヤーチャンプルーを例に考えてみましょう。チャンプルーとは沖縄の豆腐と季節野菜の炒め物のこと。つまりゴーヤーチャンプルーの材料はゴーヤと豆腐です。ゴーヤはビタミンを豊富に含んでおり、加熱しても壊れない性質のビタミンを効率的に摂取できます。さらにタンパク質をとれる豆腐もふんだんに入ったゴーヤーチャンプルーは、まさに沖縄の暑い気候にぴったりの夏バテ予防料理だといえますね。
沖縄の暮らしに根付いた食材たち
沖縄は「豆腐の島」といわれることもあるほど、食生活に豆腐が欠かせません。生で食べるほかにも、炒めたり揚げたりと、豆腐をさまざまな食べ方で楽しみます。また豚肉は沖縄料理の中心食材として、どの部位も余すことなく使われます。これらふたつの食材の消費量は本土よりも沖縄の方が多く、それだけ暮らしに根付いた食材であるといえるでしょう。
また紫芋も沖縄の代表的な食材。サツマイモのように料理に使われるほか、定番のお土産であるタルトなど、お菓子にも使えます。そんな紫芋は食物繊維が豊富で、腸内環境の改善などの効果を期待できます。
「食事は病気を治す薬」という考えをもつ沖縄の人々。沖縄特有の気候に適応して暑い夏を乗り越えるためには、これら沖縄の食材を使った栄養価が高い食事をとることが大切です。
沖縄の暮らしの工夫③気候に負けない家づくり
これまで温暖で多湿な気候に適応するため、どのような沖縄の暮らしの工夫があるのか、生活のなかでの工夫や食事の特徴などをみてきました。それでは沖縄の人々の暮らしを支える家について、気候に対応する工夫を詳しくみていきましょう。
台風が多く訪れる沖縄ならではの住まいの特徴
1年間で平均7回も台風が上陸する沖縄。台風や強風に備えるため、鉄筋コンクリートで造られている家が多いのが大きな特徴です。強風には強いコンクリート住宅ですが、一方では熱を溜めこんでしまうデメリットも。そこで家の壁を白色にして太陽光を反射し、熱の吸収を和らげることで、より快適な住まいとなるように工夫されています。
さらに、家の周りに防風林を植えたり、サンゴや石で高い塀を作ったりといった工夫も特徴のひとつ。サンゴの塀は、隙間が多いサンゴの性質を活かして作られています。隙間から風が通り抜けられるので、強風にも十分に耐えられる強度があるのです。
「防風林や塀、コンクリート造りなどで台風や強風から家を守り、さらに白壁やすだれで気候に対応する」このように特徴的な沖縄の暮らしの工夫を多く施し、沖縄の人々は気候にあわせてうまく生活してきました。
屋根の上に施された沖縄の暮らしの工夫
周りを海に囲まれ、台風も多く上陸する沖縄ですが、実は水不足になりやすいということをご存じですか?土壌の保水力の低さや急勾配な短い川が多いことから、降った雨が海に流れやすいことが原因です。昔の沖縄ではよく断水が起きており、その解決方法として家の屋根に貯水タンクを設置し、水不足への対策をしました。現在では断水が起こることはほぼなくなりましたが、かつての名残で貯水タンクが残っていることが多いです。
沖縄の家の屋根といえば、貯水タンクよりもシーサーを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。シーサーとは沖縄に古くから伝わる守り神のこと。歴史はかなり古く、沖縄にシーサーが伝わったのは13~15世紀の話です。シーサーは雌雄を対にして置くのが一般的。守り神や魔除けのため、多くの家が屋根の上や門柱においています。シーサーが屋根の上に並んでいるのは、沖縄ならではの風景ですね。
沖縄の暮らしの工夫を活かして移住生活を楽しもう!
温暖で多湿な気候のなかで生活するための、沖縄の暮らしの工夫を紹介してきました。沖縄特有の気候や文化をふまえ、移住する前にしっかりと沖縄での暮らしを想像することが肝心です。
本格的に沖縄に移住する前に、リゾートバイトで沖縄での暮らしを体験してみるのもおすすめ。実際に経験することで、より魅力的な沖縄に気づくことができますよ。