2019.9.10
沖縄言葉「うちなーぐち」を解説!方言・地名など旅行が楽しくなるフレーズまとめ!
沖縄スタイル編集者
2019.9.10

沖縄言葉の由来は?「うちなーぐち」は方言なの?
「うちなーぐち」(沖縄言葉)は沖縄の方言です。
沖縄県は、今は日本のひとつの県ですが、琉球王国14~15世紀ごろから琉球王国があり王朝が人々を治めていました。沖縄の定番観光スポットである首里城は、琉球王国の王宮です。琉球王国(琉球藩)は、明治12年に沖縄県が設置されるまで続きました。
沖縄言葉は、もともと沖縄県にあった琉球王国時代の話し言葉が由来であるため、専門家のなかでも日本の方言の1種類という考え方と、日本語に近い別の言語という考え方の2つがあります。
沖縄言葉では「あいうえお」を「あいういう」と発音したり、「き」が「ち」に変わるなどの特徴があります。実は、よく聞く「うちなー」という言葉も「おきなわ」の訛った言い方なんですよ!
沖縄言葉のなかには、日本語が訛っているものと、アジアのさまざまな言葉が由来になっているもの、英語的な表現などが入り混じっているのです。
ひとことで「沖縄言葉」「琉球語」などといっても、地域によって言葉自体やイントネーションが異なり、沖縄の人であれば訛り方でどこの地域出身か聞き分けられるそうです。
また、日本のほかの方言と同じく、長く沖縄に住む高齢者ほどよく沖縄言葉を使い、逆に若い人はいわゆる標準語に近い言葉で話すことが多い傾向があります。
沖縄の方言で、観光時にも使いやすい言葉を紹介!
沖縄言葉を最初からすべて聞き取ったり、使いこなすのはなかなか難しいですが、観光時にも使いやすい「よく使われる表現」のものをご紹介します。
①「やっさー」
あいづちを打つときや共感したときに言う、「そうだ」という意味です。
②「でーじ」
「とても」という意味。「大事(だいじ)」から派生した言葉で、「かなり」などと強調する表現になりました。
③「イイはず」
いいですね、羨ましいという意味です。「はず」は不確定な意味を表す言葉ではないので、「多分いいと思う」という意味に勘違いしないように注意しましょう。
④「てーげー」
おおよそ、だいたいという意味です。「大概(たいがい)」から派生した言葉で、いいかげんという意味も持ちます。
⑤「まーさん」
おいしいという意味です。おいしいよ、と相手に言う場合は「まーさんどー」と言います。
⑥「くわっちーさびら」
いただきますという意味です。「ごちそうさま」は「くわっちーさびたん」です。
沖縄言葉を知れば、ご当地メニューも選びやすい!
沖縄の料理にも、うちなーぐちが使われています。
読み方や意味が分からないものや、本州の人では聞いたこともないような料理がいろいろあるので一緒に見ていきましょう。
①「チャンプルー」
野菜や豆腐などを炒めた料理です。「チャンプルー」はごちゃまぜという意味です。ゴーヤチャンプルーが特に有名ですね。
②「サーターアンダギー」
丸いドーナツのような揚げ菓子。「サーター」は砂糖、「アンダーギー」はアンダ(油)+アギ(揚げ)という意味です。
③「いまいゆ」
とりたての新鮮な魚のこと。「いま」は今、「いゆ」は魚のことを指します。「いまいゆ定食」はお刺身定食のことです。
④「テビチ」
豚足のこと。「ミミガー」は豚の耳の肉で、「チラガー」は顔の皮です。
⑤「ちんすこう」
沖縄の定番土産のサクサク甘い伝統的なお菓子、ちんすこう。「ちん」はめずらしいという意味の「珍」、とても貴重なものという意味の「金」から来ているという2つの説があり、「すこう」はお菓子という意味です。
沖縄言葉は独特な読み方?有名観光スポット・難しい地名を知っておこう!
沖縄は、地名にも沖縄言葉が使われており、初見の方にはなかなか読めません。有名な観光地にも独特な読み方をするところが多いので見ていきましょう!
①斎場御嶽(せーふぁうたき)
15~16世紀の琉球王国の尚真王時代の御嶽であるとされる、沖縄県南城市にある史跡。沖縄随一のパワースポットとしても有名です。「せーふぁ」は「最高位」という意味で、御嶽(うたき)は琉球の信仰における祭祀などを行う施設です。
②園比屋武御嶽(すぬひゃんうたき)
16世紀の琉球王国・尚真王時代の御嶽です。「そのひあん・うたき」が訛ってこのような読み方になったようです。
③テダ御川(てだうっかー)
沖縄県南部の南城市にある史跡です。テダは太陽という意味で、琉球国王を指しています。
【おまけ】知っておきたい!心に響く沖縄言葉「黄金言葉(くがにくとぅば)」
沖縄では、黄金言葉(くがにくとぅば)という沖縄の県民性を反映した温かい言葉がたくさんあります。学校で習うことわざとは少し違って、子どものしつけや人生哲学のようなものが多いです。
沖縄は四方を海に囲まれているため、「人を最後までは追い詰めない」ということから、黄金言葉にあるような沖縄の人のやさしさが育まれたと言われています。そんな黄金言葉を3つご紹介します!
①真(まくとぅ)そーけーなんくるないさ
「なんくるないさ」というフレーズは、沖縄の言葉としてテレビなどで紹介されることもあって有名ですね♪
「どうにかなるさ」と楽観的な意味として理解されることが多いですが、もともとは「真(まくとぅ)そーけーなんくるないさ」という定型句。「真そーけー=正しい行いをしていれば」「なんくるないさ=なるように(あるべきように)なるものだ」という意味で、故事成語の「人事を尽くして天命を待つ」の意味に近いです。
ちなみに、楽観的な意味での「どうにかなるさ」という言葉は、「ちゃーにかいさ」です。
②命どぅ宝(ぬちどぅたから)
命(ぬち)は何よりも大切で、一番大事な宝であるという意味。太平洋戦争の沖縄戦において、日米軍人と民間人を合わせた地上戦で沖縄県民のなかからも多くの犠牲者が出たという悲惨な歴史があるからこそ、命を大切にしようという教えを受け継がれているのです。
③木ぬ・曲がいや・使りしが、心ぬ・曲がいや・使らん(きーぬ・まがいや・ちかーりしが、くくるぬ・まがいや・ちかーらん)
曲がった木は使い道もあるが、心の曲がったひねくれ者は使い道がない、という意味です。根性の曲がった人はなかなか使えないので、素直な心を持つためにも人の注意は素直に受け止めるべきという言葉です。
沖縄言葉でほっこり!沖縄おばあの「かめーかめー攻撃」、受けてみる?
沖縄を観光するなかでも沖縄言葉に触れることができます。
観光でもよく味わえるのは、沖縄のおばあさんが「かめーかめー」と言ってくる、「かめーかめー攻撃」です!
この「かめ」は「噛め」、つまり「食べろ」という意味で、「かめーかめー」は「食べろ食べろ」、「お腹いっぱい食べなさい」という意味です。手厚くもてなしてくれる様子はまるで親戚のようで、ローカル感の強い定食屋や居酒屋へ行けばこの「かめーかめー攻撃」を味わうことができる可能性が高いです。
ちなみに、先ほどご紹介した黄金言葉のなかに、「いちゃりばちょーでー」(一度会えば兄弟)というものがあり、これは「初対面でも一度会えばみんな兄弟のように仲良くしよう」という意味です。「かめーかめー攻撃」も「いちゃりばちょーでー」の温かい沖縄県民の県民性から来ているのかもしれません。
沖縄言葉「うちなーぐち」を学んで、沖縄旅行をもっと楽しもう!
沖縄の歴史を感じる素敵な沖縄言葉、いかがでしたでしょうか?